第5回公開放射線測定会と放射線の勉強会
こんにちは。モニターの中島郁子です。
暑さが戻ったとはいえ、空は確実に秋へと変わってきています。新学期を前に夏の疲れが出ないように、油断なくお過ごし下さい。
さて、「収穫の秋」を迎える前に、気になる秋野菜の放射線量について、公開勉強会(5回目)と測定会(13回目)が開かれましたので、お伝えします。
講師は、3月末以来ずっとお世話になっている茨城大学の高妻孝光教授です。今日も水戸から学生さん達と一緒にいらして、放射線についてのお話と測定をして下さいました。
初めて参加された方がいらしたので、放射線について基本的なことから教えて頂きました。写真は、塩化カリウムを手に、自然にも放射線を出しているものがあることを説明される高妻先生です。
(写真:高妻先生)
お話の中で、先生が強調されたことの1つが、「経口摂取による実効線量への換算係数」についてです。(写真:経口摂取による実効線量への換算係数)
現在問題になっているセシウムについては、
Cs134の場合、乳児 0.026 幼児 0.013 少年 0.014 青年 0.019 成人 0.019です。
Cs137の場合、乳児 0.021 幼児 0.0097 少年 0.010 青年 0.013 成人 0.013が、換算係数です。
実効線量(放射線影響)[マイクロシーベルト]=放射線濃度(ベクレル/Kgまたはベクレル/L)×摂取量(KgまたはL)×換算係数、この数式でベクレルをマイクロシーベルトに換算出来るようになります。
私は、数字に弱くて(算数も苦手だった)今まで聞き流していたのですが、人間への健康影響を心配するなら、この計算に慣れて、自分なりの基準を知る努力が必要だということが、ようやく解りました。
ここで例題です。
1Kgあたり 524Bq(ベクレル)のCs(セシウム)を観測した牛肉があります。この牛肉を 100g摂取したとします。Csは134か137か不明なので、半分ずつと仮定して、どのくらいの被ばくになるでしょうか?
1Kgで 524Bqだから、100gでは 52.4Bq。Csを半々としたから、どちらも 26.2Bqとなります。
26.2×0.019+26.2×0.013=0.84 となり、この 0.84μSv(マイクロシーベルト)が、計算上の被ばくになります。
例えばダイエットする時や病気になった時にカロリー計算をするように、この計算式に慣れて、家庭でも自分で計算するようになる、そんな時代がきているのかもしれません。「正しく怖がる」ために苦手でも頑張ろう!、と思いました。
さて、そんな気づきを頂いた後、実際に測定が始まりました。
今回の検体は、キクラゲ(菌床と乾燥)、マイタケ、マイタケ菌、干しシイタケ、生シイタケ、リンゴ、栗、トマト、枝豆、キュウリ、それからシイタケを作る原木は、露地とハウスの2種をそれぞれ皮と芯を別にして測定しました。セシウムが多いのでは、と巷で言われているキノコ類と原木は、私の不安の種でしたから期待して立ち会いました。
結果は、すべて心配なし、でした。今日も自分の目で確かめて不安を消去出来ました。有り難いことでした。
もちろん、今回もいくつか精密検査にも回りました。
これからも検査は続けてもらえますので見守っていきたいと思います。
それから、今日特筆すべきは、新しい放射線計測器による測定をしたことです。
(写真:テクノエーピーの測定器)
「スペクトルサーベイメータ TS100」という測定器で、ひたちなか市のテクノエーピーという会社が作ったものです。現在は、茨城大学の高妻先生と共同実証実験中で、近々販売になるそうです。
この器械が優れているところは、
●核種の判別と量の測定が出来ること。
●使い方が簡単であること。
●国産なので、サポートやアフターサービスにも便利であること。
●線量率範囲が、0.001μSv/h~10mSv/h
と広いことなどがあります。
NaIシンチレーションサーベメータ同様携帯出来ることもいいですが、お値段が300万円弱だそうですので、自治体などで使ってもらえると検査する検体数がかなり増えて、住民としては嬉しいのに、と思いました。
核種まで解り、線量が見やすい点は、本当に良かったです。
(写真:一般の方が持ち込まれた表土の結果)
先日のホテルグランド東雲での講習会でも考えさせられましたが、測定器はきちんとした器械を正しく使ってこそ不安を取り除けるので、機器の開発も進むことを願っています。
高妻先生ともお話したのですが、ずっと検査に立ち会ってきてみて、どうもセシウムの野菜への影響というのは言われてきたよりもずっと少ないのではないか、という感じがします。心配されたイネにしても、サツマイモ、ジャガイモ、キノコなども、検査結果は少ない(精密検査では多分非検出になるような)数値でした。
多くの研究機関でもお調べでしょうから、出来るだけ早く新しい分析情報を公表してほしいと願っています。それが、多くの人の不安を早く取り除くためにも重要だと考えます。
何と言っても、安心して美味しいものを食べることは心身の健康の源ですから、今日も嬉しい結果になりました。
暑さが戻ったとはいえ、空は確実に秋へと変わってきています。新学期を前に夏の疲れが出ないように、油断なくお過ごし下さい。
さて、「収穫の秋」を迎える前に、気になる秋野菜の放射線量について、公開勉強会(5回目)と測定会(13回目)が開かれましたので、お伝えします。

初めて参加された方がいらしたので、放射線について基本的なことから教えて頂きました。写真は、塩化カリウムを手に、自然にも放射線を出しているものがあることを説明される高妻先生です。
(写真:高妻先生)

現在問題になっているセシウムについては、
Cs134の場合、乳児 0.026 幼児 0.013 少年 0.014 青年 0.019 成人 0.019です。
Cs137の場合、乳児 0.021 幼児 0.0097 少年 0.010 青年 0.013 成人 0.013が、換算係数です。
実効線量(放射線影響)[マイクロシーベルト]=放射線濃度(ベクレル/Kgまたはベクレル/L)×摂取量(KgまたはL)×換算係数、この数式でベクレルをマイクロシーベルトに換算出来るようになります。
私は、数字に弱くて(算数も苦手だった)今まで聞き流していたのですが、人間への健康影響を心配するなら、この計算に慣れて、自分なりの基準を知る努力が必要だということが、ようやく解りました。
ここで例題です。
1Kgあたり 524Bq(ベクレル)のCs(セシウム)を観測した牛肉があります。この牛肉を 100g摂取したとします。Csは134か137か不明なので、半分ずつと仮定して、どのくらいの被ばくになるでしょうか?
1Kgで 524Bqだから、100gでは 52.4Bq。Csを半々としたから、どちらも 26.2Bqとなります。
26.2×0.019+26.2×0.013=0.84 となり、この 0.84μSv(マイクロシーベルト)が、計算上の被ばくになります。
例えばダイエットする時や病気になった時にカロリー計算をするように、この計算式に慣れて、家庭でも自分で計算するようになる、そんな時代がきているのかもしれません。「正しく怖がる」ために苦手でも頑張ろう!、と思いました。
さて、そんな気づきを頂いた後、実際に測定が始まりました。
今回の検体は、キクラゲ(菌床と乾燥)、マイタケ、マイタケ菌、干しシイタケ、生シイタケ、リンゴ、栗、トマト、枝豆、キュウリ、それからシイタケを作る原木は、露地とハウスの2種をそれぞれ皮と芯を別にして測定しました。セシウムが多いのでは、と巷で言われているキノコ類と原木は、私の不安の種でしたから期待して立ち会いました。
結果は、すべて心配なし、でした。今日も自分の目で確かめて不安を消去出来ました。有り難いことでした。
もちろん、今回もいくつか精密検査にも回りました。
これからも検査は続けてもらえますので見守っていきたいと思います。

(写真:テクノエーピーの測定器)
「スペクトルサーベイメータ TS100」という測定器で、ひたちなか市のテクノエーピーという会社が作ったものです。現在は、茨城大学の高妻先生と共同実証実験中で、近々販売になるそうです。
この器械が優れているところは、
●核種の判別と量の測定が出来ること。
●使い方が簡単であること。
●国産なので、サポートやアフターサービスにも便利であること。
●線量率範囲が、0.001μSv/h~10mSv/h
と広いことなどがあります。
NaIシンチレーションサーベメータ同様携帯出来ることもいいですが、お値段が300万円弱だそうですので、自治体などで使ってもらえると検査する検体数がかなり増えて、住民としては嬉しいのに、と思いました。
核種まで解り、線量が見やすい点は、本当に良かったです。

先日のホテルグランド東雲での講習会でも考えさせられましたが、測定器はきちんとした器械を正しく使ってこそ不安を取り除けるので、機器の開発も進むことを願っています。
高妻先生ともお話したのですが、ずっと検査に立ち会ってきてみて、どうもセシウムの野菜への影響というのは言われてきたよりもずっと少ないのではないか、という感じがします。心配されたイネにしても、サツマイモ、ジャガイモ、キノコなども、検査結果は少ない(精密検査では多分非検出になるような)数値でした。
多くの研究機関でもお調べでしょうから、出来るだけ早く新しい分析情報を公表してほしいと願っています。それが、多くの人の不安を早く取り除くためにも重要だと考えます。
何と言っても、安心して美味しいものを食べることは心身の健康の源ですから、今日も嬉しい結果になりました。